このコーナーは、皆様のために参考にして頂けると思われる内容について、情報提供させて頂くコーナーです。

ワンポイント・アドバイス【時間帯の考え方】

京都・伏見と言えば、日本酒で有名であります。月桂冠、黄桜、松竹梅などをはじめ、24の酒蔵が組合に加盟しています。この伏見駅近くの商店街に、『クックデリ御膳』という繁盛されているお惣菜屋さんがあります。

今年で開店して6年目になります。京都に行くと、訪れることにしている定点観測店です。

先日は、夜9時少し前になって到着しました。店内一番奥にお会計のレジがあれますが、店内から並んだ行列が店の外に及び隣のパチンコ店の入口を封鎖しているぐらいで長く続いていました。

お客様は、誰もが商品を手にとって、持ったまま並んでいるのです。このお店、この時間帯は店内の2段の棚には、ひとつも商品がないのです。店内の商品は完売してしまっているのです。

よって、電車を降りて駅から歩いてきたお客様が選びやすいように、店頭にだけ商品を集めて並べてある。しかも、そのような遅い時間帯は、帰宅後にすぐ食べる人が多いためか、弁当類が圧倒的でした。+焼き鳥などのおつまみ系も少量ながらありました。

何が言いたいか、お分かりでしょう。時間帯ごとに商品の陳列場所を店内から担当に異動し変更したり、提供方法を変更したり、並ばせたり、レジは二人のスタッフが担当し、その他の面々は閉店作業に厨房で動き回っていました。

駅から帰宅するために商店街を歩いてくると、どんどんと周辺のお店が店じまいするなかで、人が並んでいる。他の商店の看板は前方向きに全店設置されているためか、駅から来る方向では、1枚も見えない。だけど某惣菜屋さんの行列は集客力抜群の効果があるように思えてならないのです。

東京に帰ってきてから、先日、セブンイレブンに行ったら、『朝セブン』なる5月10日から31日までの期間限定企画のようでしたが、レギュラーコーヒーのホットかアイス、税込100円。これに、例えば、チョコクロワッサン税込138円の両方を買うと、税込200円になるというキャンペーンでした。時間帯が午前4:00~11:00というのです。ラーメン店などによくある、11:00~14:00までというスタイルに慣れきっている私としては、その違いを実感しました。

朝だけだったら、4:00~9:00ぐらいで終わりそうなものだが、ランチ直前まで引っ張っている印象がぬぐい切れない。

例えば、すき屋の卵かけごはん定食は、増税後にも安くなって216円になっています。鮭定食は、367円になっています。

多くのラーメン店は、朝という時間帯について営業していない店舗が多いし、営業しても来店が望めないロケーションなどもあることから、朝の営業を実行して下さいという考え方は、毛頭持っておりません。

考えなければならないのは、昼のメニューと夜のメニューが同じというパターンでというお店がラーメン店に多いということです。何も考えていないのではなかろうかと疑いたくなるのです。

例えば、昼の来店客はランチタイムという限られた食事時間なので、会社などで勤務されている方々は、どうしても徒歩圏内であり、往復の移動時間と食後の一服を考えると、せいぜい600m圏内と考えるべき商圏であり、毎日のように来店してもらえるように考えるとしたら、<飽きてしまう>という現象を回避する努力が必要ではないでしょうか。

先日、東京の神田駅周辺のランチタイムを探査してみたら、面白い看板を見つけました。「午前11時30分までに食べ終わって会計を済まされる方は、550円で結構です。」と書いてありました。

すなわち、ランチタイムのピークカットを意識し、1人でも多くのお客様を獲得したくて、時間前の獲得を実践しているわけです。漠然とランチタイム→休憩時間→夜の営業などと考えている時代ではないということです。

時間帯を意識して、在庫管理する時間帯、仕込みの時間帯、演習の時間帯など、昼と夜の営業の効率を上げるための業務の仕込みについても考えてみてはどうでしょうか。

弊社の加盟店では、まったく異なる発想によって、ランチの売上を増強している事例がありますが、一般会員向けの記事は、ここまでとさせて頂きます。