Q)来店客数を増やしたいが、良い手段を教えてほしい。

A)ご質問のような考え方をされているラーメン店経営者の方々が、全体の95%程度だと思いますが、このような考え方自体が間違っていると弊社では考えております。
例えば、駅前に近かったら、ビラをまくなどという即効性のある販売促進の方法がありますが、これが間違いの典型的なパターンだと思います。
即効性のある販売促進や集客の考え方は、最も実施しない方が良い方法ではないでしょうか。
お客様を集める、と考えるのではなく、お客様が集まってくる、と考えるべき時代に突入していると、そうでないと生き残れません。

パーソナル・メディアの時代ですから、美味しいお店があれば、スマートフォンで写真を撮り、ライン、ツィッター、ブログなど、お客様個人から、口コミという形式で発信されます。
そうすると、それを見た友達などが、来店され、また、繋がり、というように、本当においしい、本当に素晴らしいメニュー、驚くような価格やボリュームなど、何かに反応し喜んだお客様は、友達に教えてあげたいという本能があります。

小手先のビラ配りなど、配っている時は若干のお客様は来店されるかも知れませんが、止めた途端に来店も止まります。それより、多くのお客様が喜ばれて来店されるパターンは、本物の繁盛店になります。弊社では、そのような考え方で、お客様目線の店作り、メニュー作りなどをご提案させて頂いております。

Q) 客単価の上げ方について、アドバイスして欲しい。

A) 厚生労働省の発表によれば、全労働者の4割が非正規雇用という正社員ではないバイトや派遣などという働く方になり、その多くが平均年収200
万円以下になっていることが分かっております。
すなわち、月額16万円前後であり、家賃や住宅ローンを支払うと、水道光熱費を支払い、スマートフォンの通信費、・・・などを取り除いた残金、すなわち、可処分所得と言われる使うことのできるお金は、本当に限られているわけです。
だから、650円のラーメンが高いと言って来店されず、コンビニやスーパーの冷凍食品のパスタ類などに消費の軸足が移っている人々が多いわけです。
すなわち、座標軸で下半分のお客様は、来店さえ難しく、やっと来店されても最低価格のメニューのオーダーとなりますので、客単価を上げる対象となるお客様は、財布にゆとりのある人々に限られると考えなければなりません。

地域性もあるが、750円から900円の価格帯が勝負

大手の百貨店のスカートの価格は、バーゲン用の3,500円ぐらいから、高級ブランドの15万円ぐらいまで、その価格差は実に大きいのです。
一方のスーパーマーケットは、2,500円ぐらいから、5,500円ぐらいの価格帯を設定して、多数の商品をこの価格帯に集めています。
32歳で子供1人という仮想のお客様像を設定し、その給与も勝手に設定し、使える被服費を想定して、価格帯を設定しています。だから、スーパーマーケットは品揃えが豊富で、お客様が集まってくるという結果になります。〔現在はインターネットに奪われていますが、〕
   
従って、あなたのお店の周辺の平均価格帯を調査し、あなたのお店の価格帯を決定します。それが最優先課題です。勝手に一人だけ突出した金額を設定しても、自殺行為です。
もし、中心価格帯が780円だと仮定しましょう。その場合に、780円前後の選択肢を増やすことと、一部に若干高いけど価値ある商品を設定するという考え方であります。

ラーメン店などの場合、もうひとつ重要な問題点があります。それはファースト・オーダーで客単価が決まってしまうという業態の特殊性です。同様のことは、パスタ店のランチでも言えることです。

焼肉業態の場合などは、後から後から追加オーダーが入ります。カルビの追加、ビールのお替わりなど、追加オーダーで成り立っていますが、ラーメン店においては、追加オーダーがほとんどない。すなわち、ファースト・オーダーで勝負は決まってしまう。ファースト・オーダーのタイミングが重要なのである。〔プレミアム会員様には、具体的な対応策をご提示しております。〕